角膜ステイニングは範囲と密度についてスコア化し、最終評価には範囲スコアと密度スコアを乗じた総スコアを用いた。
最終評価:
ステイニング総スコア = ステイニング範囲スコア × ステイニング密度スコア
ステイニング範囲スコア
ステイニングの状態 | スコア |
ステイニング(−) | 0 |
角膜表面の1〜25%のステイニング | 1 |
角膜表面の26〜50%のステイニング | 2 |
角膜表面の51%〜のステイニング | 3 |
ステイニング密度スコア
ステイニングの状態 | スコア |
ステイニング(−) | 0 |
密度が低いステイニング | 1 |
密度が中等度のステイニング | 2 |
密度が高いステイニング | 3 |
角膜ステイニングの評価方法として、CCLRU Grading ScaleやAndrasko GJらの研究においては、角膜を5つの領域(中央、上方、下方、耳側、鼻側)に分け、それぞれの領域における角膜の病変面積を算出している。研究レベルではそのような詳細な分類および評価が可能であるが、一般の眼科診療においては個々の患者に対する評価としては困難であると考えられた。そこで、診療の場で角膜ステイニングの程度を簡便に評価することができ、その病変面積を数値で評価する方法として、病変部位の範囲と密度を乗じる方法を考案した。角膜ステイニングが発生した300眼を対象に、この評価方法(範囲X密度)とCCLRU Grading Scaleによる評価方法の相関を検討したところ、2つの評価方法には高い相関(r=0.881)があり、病変部位の範囲と密度を乗じる方法が角膜ステイニングを評価する上で適切であることが確認された。