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角膜ステイニングの典型症例

典型症例1

[症例] 27歳、女性。
[主訴] コンタクトレンズ装用時の両眼の痛み、眼の疲れ。
[視力] 右眼=0.06(1.2×S-5.0D、C-0.75Ax20°)、左眼=0.07(1.2×S-4.25D、C-0.75Ax175°)
[眼圧] 右眼=14mmHg、左眼=14mmHg
[綿糸法] 右眼=30mm、左眼=30mm
[前眼部] 両眼のリング状SPK、下方に強いSPK(スマイルマークSPK)、軽度結膜充血。
[後眼部] 両眼ともに異常なし。
[使用コンタクトレンズ] ボシュロムメダリスト66トーリック( R)8.50/-4.5/C-1.25Ax180°/14.5、L)8.50/-4.0/C-1.25Ax180°/14.5 )(ボシュロム・ジャパン株式会社)、開封1ヶ月目。コンタクトレンズ量販店で購入していた。
[使用レンズケア用品] ロートCキューブソフトワンモイス(ロート製薬株式会社)。

コンタクトレンズを装用して8時間以上経過した夕刻に来院した。使用レンズは2週間交換ソフトコンタクトレンズであったが、開封後1ヶ月のレンズを使用していた。両眼のSPKが顕著で、特に下方のSPKはやや深度が深かったため、コンタクトレンズ装用の中止を指示し、タリビッド点眼(両4回/日)とヒアレイン点眼(両6回/日)を処方した。翌日にはSPKはほぼ消失していたため、1日使い捨て乱視用ソフトコンタクトレンズのワンデーバイオメディクストーリック( R)8.50/-4.75/C-0.75Ax180°/14.5、L)8.50/-4.25/C-0.75Ax180°/14.5 )を処方した。それ以降、自覚症状は消失し、SPKは出現していない。

典型症例2

[症例] 26歳、男性。
[主訴] 両眼のかすみ、めやに、乾燥感。
[視力] 右眼=0.1(1.2×S-1.5D、C-0.75Ax180°)、左眼=0.1(1.2×S-1.75D、C-0.75Ax180°)
[眼圧] 右眼=13mmHg、左眼=12mmHg
[前眼部] 両眼角膜全体のSPKと軽度の結膜充血。両眼瞼結膜の表面が粗造で、軽度の充血がみられた。
[後眼部] 両眼ともに異常なし。
[綿糸法] 右眼=23mm、左眼=22mm
[使用コンタクトレンズ] O2オプティクス(チバビジョン株式会社)、開封10日目。眼鏡店で購入した。
[使用レンズケア用品] レニューマルチプラス(ボシュロム・ジャパン株式会社)。

最近、コンタクトレンズを装用すると、眼がかすみとめやにがでるようになったという訴えで来院した。レンズケアの方法には一切の問題はなかった。両眼のSPKが顕著であったため、コンタクトレンズの装用中止を指示し、タリビッド点眼(両3回/日)、0.1%フルメトロン点眼(両3回/日)、ヒアレイン点眼(両6回/日)で治療を開始した。治療開始後3週間で、自覚症状はすべて消失した。その後、1日使い捨てソフトコンタクトレンズのワンデーバイオメディクストーリック( R)8.70/-0.75/-0.75Ax180°/14.5、L)8.70/-0.75/-0.75Ax180°/14.5 )を処方した。それ以降、順調にコンタクトレンズ装用を継続している。