経歴
道玄坂糸井眼科医院
院長 糸井素純
昭和34年生まれ。昭和59年3月に順天堂大学医学部を卒業後、京都府立医科大学大学院へ進み、昭和63年に医学博士、平成元年に眼科専門医を取得。大学院在学中は岡崎国立共同研究機構で受託大学院生として水晶体をテーマに研究。その後、京都府立与謝の海病院、大津市民病院、順天堂大学眼科学教室助手、ニューサウスウェールズ大学(豪州)、ロチェスター大学(米国)、東京警察病院眼科(副医長)と歴任し、平成10年1月に表参道(東京)に糸井眼科医院を開院、平成16年10月に医療法人社団 松六会 道玄坂糸井眼科(東京都渋谷区)を開設、理事長となり、平成19年4月から道玄坂糸井眼科医院の院長となった。現在は順天堂大学眼科学教室の非常勤講師(円錐角膜に対するコンタクトレンズ処方を担当)、日本コンタクトレンズ学会常任理事を兼任している。専門分野はコンタクトレンズ、角膜疾患(円錐角膜、ドライアイなど)。
ご挨拶
コンタクトレンズによる眼障害が急増しています。コンタクトレンズは直接目に触れるものだから、使い方を誤れば、失明につながります。そんな簡単なことを知らない人が実に多いようです。コンタクトレンズの眼障害を発見したとき、患者さんに眼障害のことを説明すると、まさか自分がという顔をします。入院が必要なほど重症なのにもかかわらず、明日は仕事で診療に来られないという人もいます。ただの結膜炎といい張り、治してくれればいいという人もいます。重症な患者さんのほとんどは定期検査を受けていません。コンタクトレンズの眼障害には、まったく自覚できない障害もありますが、そのことを全く知りません。コンタクトレンズの処方を受けたときに何も説明を受けていないようです。だからコンタクトレンズの怖さがわからないのです。
使い捨てソフトコンタクトレンズ、カラーソフトコンタクトレンズ、老眼用コンタクトレンズが登場し、コンタクトレンズの人口が急増しています。コンタクトレンズを病院、眼科医院で購入するよりも、値段が安い眼鏡店、コンタクトレンズ量販店で購入をする人が多くなりました。眼鏡店、コンタクトレンズ量販店では必ずしも眼科専門医が処方をしているわけではありません。日本の法律では、医師であれば誰でもコンタクトレンズを処方できます。つまり眼科以外の医師を雇って、コンタクトレンズを処方、販売するところもあります。インターネット、薬局で医師の処方なしで使い捨てレンズを購入する人もいます。コンタクトレンズは目に合ったものを選ばなければトラブルを招きます。目に合ったものを選んでも使い方に誤りがあればトラブルを招きます。
コンタクトレンズによる眼障害は予防できないのでしょうか?ほとんどのコンタクトレンズによる眼障害には原因があります。目の状態に不適切なレンズを選択されていたり、選択したレンズの処方が不適切であったり、装用に無理があったり、レンズケアに誤りがあったりします。コンタクトレンズを選択する際に、これから装用する人の希望は、もちろん大事ですが、コンタクトレンズには実に多くの種類があり、目の状態、装用状況に合わせて、希望を考慮したうえで、安全なコンタクトレンズを選択し、処方することは、それほど難しいことではありません。選択したコンタクトレンズを最良の状態で処方し、定期検査で何か問題があれば修正する。異常を感じたらすぐにコンタクトレンズの装用を中止し、診療を受ける。無理な装用をしたり、レンズケアを怠ったりすれば大きなトラブルを招くということを理解してもらう。そのようにすれば、ほとんどのコンタクトレンズトラブルは予防できます。
コンタクトレンズを処方する際には、いろいろなことを眼科医が説明しなければなりません。取り扱い説明書を熟読する人は少ないし、検査員のいうことは聞かない人も多いようです。しかし、眼科医自身が説明すれば、ほとんどの人は最後まで耳を傾けてくれます。 本ホームページでは、私がクリニックでコンタクトレンズを希望する人に説明している内容がたくさん含まれているので、ぜひ詳しく読んでいただきたい。
著書紹介
「あなたは大丈夫?コンタクトレンズ障害」
(糸井 素純著)
平成12年7月13日マキノ出版より初版発行
定価1300円(税抜き)