コンタクトレンズは近視、遠視、乱視を矯正する高度管理医療機器です。しかし、誰でも装用できるわけではなく、その人の目の状態によって左右されます。つまり、コンタクトレンズを装用することによって目が危険な状態に陥ると予想される場合は、コンタクトレンズ不適応と判断されます。
重症のドライアイ
ドライアイの目の表面の涙が少ない状態です。涙が少ないとコンタクトレンズのトラブルの危険性が高くなります。軽症、中等症のドライアイであれば、適切なコンタクトレンズを選択すれば、装用できることもありますが、重症のドライアイではどんな種類のコンタクトレンズでもトラブルの頻度が非常に高く、装用できません。
アレルギー性結膜炎
結膜にアレルギーが生じているときは、コンタクトレンズを装用すると、アレルギーが悪化するので、装用を避けるべきですし、特にアレルギー症状が強いときは、コンタクトレンズを装用してはいけません。いろいろなトラブルを招きます。アレルギー結膜炎の症状が長期間継続するような人は、コンタクトレンズは不適応となります。
急性結膜炎
急性結膜炎
血核に強い炎症が起こっているときは、コンタクトレンズの装用を避けるべきですが、炎症が治まれば装用可能です。ただし、角膜上皮障害が後遺症として残っている場合は、コンタクトレンズの装用ができないことがあります。
コンタクトレンズ眼障害
コンタクトレンズ眼障害の種類にもよりますが、障害が起こっている間は原則として装用を中止します。眼障害が治れば、再発を防ぐ対策を講じたうえで、装用することができます。コンタクトレンズ眼障害が治ったからといって、対策を講じないまま、そのまま以前のコンタクトレンズを装用するのは非常に危険です。コンタクトレンズ装用を開始する前に、必ず眼科医の診察を受け、眼障害の原因となった状況を説明し、コンタクトレンズの状態、目の状態を確認してもらい、適切な指示を仰いで下さい。眼障害には必ず原因があるので、その原因をはっきりさせることが非常に重要です。
角膜に混濁が強く残っていたり、角膜内皮細胞が著しく減少していたり、装用を続行するのが危険と思われるときは、コンタクトレンズ不適応となります。
角膜知覚過敏
角膜の知覚が非常に敏感で、ソフトコンタクトレンズを装用しても異物感が強かったり、痛みが生じたりして、どうしても装用できない人もいます。また、ハードコンタクトレンズで異物感が継続する場合は、多くはコンタクトレンズのカーブやサイズが目にあってないか、装用の方法に問題があります。ハードコンタクトレンズで適切な処方を受け、一日12〜14時間の装用を続ければ99%の人は問題なく装用できるようになります。またハードコンタクトレンズではレンズ径により装用感も大きく異なります。ハードコンタクトレンズの異物感が改善しないときは、コンタクトレンズに詳しい眼科医に相談してください。
小学生以下
コンタクトレンズを希望する小学生がふえています。しかし、小学生の目にはどんな種類のレンズでも負担が大きく、装用は原則として避けるべきです。成長期にソフトコンタクトレンズをすることは非常に危険です。一日使い捨てソフトコンタクトレンズを100%安全だと勘違いし、重篤なトラブルとなった小学生もいます。
装用方法を守れない人
コンタクトレンズを無理な時間装用したり、使い捨てソフトコンタクトレンズで使用期間を過ぎていたり、連続装用できないコンタクトレンズでそのまま寝てしまったりすると眼障害の原因となります。眼科医の指導した装用方法を守れない人はコンタクトレンズを装用する資格はありません。
レンズケアを出来ない人
汚れたハードコンタクトレンズ
レンズケアを面倒くさがる人がいます。ハードコンタクトレンズは洗浄、ソフトコンタクトレンズは洗浄、消毒が必要です。レンズケースも管理が必要です。手抜きをするとレンズが汚れたり、微生物がレンズに付着して眼障害の原因になります。レンズケアを出来ない人は1日使い捨てソフトコンタクトレンズ、1週間連続装用使い捨てソフトコンタクトレンズ以外のコンタクトレンズを使用する資格はありません。