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コンタクトレンズによる急増中の目のトラブル


コンタクトレンズによる急増中の目のトラブル

  • 巨大乳頭結膜炎
  • 角膜潰瘍
  • 角膜内皮細胞障害
  • 点状表層角膜症

コンタクトレンズによる眼障害は年々増えており、年間100万件以上発生しているといわれています。中学生、高校生のコンタクトレンズ装用による被害も年々が増えています。コンタクトレンズを装用している人の7.4%(1年間の眼障害発生率)に装用中止を必要とする眼障害が発生していると報告されています。そのうち使い捨てソフトコンタクトレンズ(2週間交換ソフトコンタクトレンズを含む)による眼障害が半数を占めています。

CLによる眼障害の発症率 レンズの種類別
(2001年10月 日本コンタクトレンズ協議会 CL眼障害調査)
  CL装用者割合 年間発症率
HCL 41.9% 5.6%
従来性SCL 16.5% 11.1%
1日使い捨てSCL 12.1% 3.3%
1週間連続装用使い捨てSCL 0.7% 15.0%
2週間交換SCL 28.8% 9.6%
全体 100.0% 7.4%

巨大乳頭結膜炎

ソフトコンタクトレンズ装用者にみられた巨大乳頭結膜炎

最近、急増しているトラブルの一つです。主にソフトコンタクトレンズ装用者にみられますが、ハードコンタクトレンズ装用者にもみられます。目がかゆくなり、コンタクトレンズがずれやすくなります。まぶたの裏側に異物感を感じ、目やにも増えます。装用感も悪化します。原因はコンタクトレンズに付着した汚れです。つけおき洗浄や煮沸消毒をしている人に多くみられます。進行すると大きなコブ状のブツブツ(乳頭)がまぶたの裏側にできます。レンズ装用という物理的刺激も悪化の原因となります。このような症状が出たら、装用時間を短くし、つけおき洗浄をこすり洗いに、煮沸消毒をコールド消毒に変更すると良いでしょう。1日使い捨てソフトコンタクトレンズも有効です。


角膜潰瘍

ソフトコンタクトレンズ装用者にみられた角膜潰瘍

角膜表面に深い傷ができます。コンタクトレンズのトラブルの中でも非常に重篤なものです。装用時間が長すぎる、コンタクトレンズをつけたまま寝てしまう、コンタクトレンズが目のカーブに合っていない、コンタクトレンズの汚れなどが原因となります。痛みや充血、視力の低下などが特徴で時には失明につながります。とくに感染を合併したときは非常に危険です。感染性角膜潰瘍の多くはソフトコンタクトレンズ装用者にみられます。ソフトコンタクトレンズやレンズケース内に繁殖した細菌、カビなどが感染性角膜潰瘍の原因となります。毎日の消毒は絶対にかかさないでください。週に一度しか消毒をしない人がいますが、それは非常に危険です。また、ソフトコンタクトレンズは目の表面に傷が出来ても痛みを押さえる効果があるので、知らないままに傷が悪化してしまう可能性が大です。目の調子が少しでも悪かったら、コンタクトレンズは絶対に装用しないようにしてください。


角膜内皮細胞障害

図 角膜内皮細胞障害

ソフトコンタクトレンズ装用者


正常

角膜内皮細胞は角膜の透明性を維持しています。酸素不足になると減少し、一度減ると二度と増えず、激減すると失明につながる危険もあります。酸素を通さないハードコンタクトレンズやソフトコンタクトレンズに起こりがちで、自覚症状がまったくありません。特に長期間連続装用をしている人は、一度、眼科で角膜内皮細胞の状態を調べてみるとよいでしょう。

装用時間が非常に長い人、近視が非常に強い人(ソフトコンタクトレンズではレンズが厚くなってしまう)はガス透過性ハードコンタクトレンズ、あるいは、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを選択する方が安全です。ソフトコンタクトレンズであれば装用時間をある程度制限するか、週に1日レンズをつけない日をつくると良いでしょう。どのタイプのコンタクトレンズであっても連続装用はあまり薦められません。


点状表層角膜症

ソフトコンタクトレンズ装用者にみられた点状表層角膜症

最も多いコンタクトレンズ眼障害ですが、ほとんどの場合、自覚症状はありません。点状表層角膜症の中にはハードコンタクトレンズ特有のもの、ソフトコンタクトレンズ特有のものがあり、原因も様々です。多くの場合、コンタクトレンズを一晩はずすだけで治癒しますが、コンタクトレンズによる障害は、治癒しても、その原因を探り、適切な対応をしなければ必ず再発します。またそのまま治癒と再発を繰り返していると、最終的には角膜上皮びらん、角膜浸潤、角膜潰瘍と重篤な眼障害につながりますので、定期検査を必ず受け、軽症の段階で適切な指導を眼科専門医から受けてください。

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